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特別支援学級で子供は成長する! 第590号ーハンドベースボールを楽しむ子供ー [O4 特別支援教育]

◆リード:ハンドベースボールを、通常の子供たちと同じように楽しめるようにしたい。その願いを具現するために、特別支援学級担任の私が打っている手。

2009.6.6 特別支援学級で子供は成長する! 第590号
ーハンドベースボールを楽しむ子供ー

 運動会が終わり、体育では「ハンドベースボール」を指導することになっている。

 私の願いは、担任しているAさん、Bさんが通常学級の子供たちと同じように、ハンドベースボールを楽しめるようになることである。

 Aさんも、Bさんも、特別支援学級での体育が2時間、交流の体育が1時間である。

【事前に打った手】

 まず、ハンドベースボールの交流学年でのルールを事前に確認した。
・ファーボールはなし。三振はあり。
・スリーアウトチェンジ。
・フライやライナーを捕ればアウト。
・リードや盗塁はなし。

 次に、使う野球道具を確認した。
・コンニャクボールとプラスチックのバットを使用。(当初はハンドベースボールということで、手で打つ予定で合ったのが、子供の希望で変更になったそうだ。)
・1塁、2塁、3塁、本塁のベース。

 なるべく同じようなルールで、同じような道具を使いたいところだ。

 そして、家から「野球盤ゲーム」(アキコにクリスマスに買ってあげたもの)をもっていき、それで遊びながらルールを教えた。
 幸いなことに、AさんもBさんも「野球盤ゲーム」に興味を示し、喜んで遊んだ。


【特別支援学級での体育「ハンドベースボール」】

 さて、今週から特別支援学級での体育は「ハンドベースボール」である。
 私がピッチャー(打ちやすいボールを投げるため)でボールを投げる。
 それを、Aさんが打って、Bさん(と私)が守る。
 1アウトでチェンジ。
 今度は、Bさんが打って、Aさん(と私)が守る。
 1塁しかなく、打ったら1塁を踏んで本塁に戻ってきて1点となる。
 フライを捕られたり、本塁に戻るまでにタッチされたりすれば、アウトである。

私「ほら、いくよ~。えい。」

Aさん(バットを振って、センターオーバーのヒット。センターにはBさんが唯一守りについている。)「やった!」(すばやく1塁を回り、本塁を踏む。)
「1点だ。先生、すごいでしょ、ボク!」

私「すごいね。」

 こんな感じで、1時間3回の攻撃のうちに、10点も点を取ったAさんは、大満足。何回も、「先生、ボクってすごいでしょ。」と言っていた。

 今度は守りに入るAさん。Bさんが打つ番だ。

私「ほら、いくよ~。えい。」

Bさん(バットを振って、センター前のヒット。センターにはAさんが唯一守りについている。)「やった!」(すばやく1塁を回り、本塁に向かう。)

Aさん(ボールはストレートに届かないが、フォーバウンドぐらいして、本塁にいる私の所に来る。)「あ~。」(ボールを遠くは投げられない。ボクって守りはダメだな~)

私「いい感じだよ。ちゃんとホームにボールが来ているよ。」

 攻めるときは、自分一人だから、すぐに打順が回ってくるというか、いつも打つ番だ。
 守るときも、自分でボールを追って、ホームにいる私めがけて送球するので、これまた運動量が多い。
 私が打ちやすいところに投げているし、6振(5回まではストライクでもアウトにしない)でアウトにしたりしたので、二人ともバンバンヒットを打っているのである。
 たった3回の攻撃で、Aさんは10点、Bさんは7点入れた。
 こんな感じで汗びっしょり。

Aさん「守りはちょっとだけど、ボクって天才打者。すごいでしょ。」

 とても満足した二人であった。

 少人数で特別の配慮のある特別支援学級ならば、何回も何回も打順が回って、打ちやすいところにボールが来るのでよく打て、十分楽しめる。練習量も多いので、自然に打つ力も身についてくる。
 守備も同じで、自分が中心になってやらなければならないので、必死である。ボールを捕り、アウトにできるように下手でも毎回毎回必死で投げてくる。私は、うまいところを見つけてほめるので、やる気は続く。
 タッチの差でセーフにしてあげたり(その方が必死で走る)、徐々に投げるボールを速くしたり、私の方で少しずつ鍛えている。また、徐々に6振制から3振制にするつもりである。

 通常学級の中に入ると、「(下手)もっといいところに投げて!」と言われたり、通常のスピードのボールを打てなかったり、そもそも順番が待てなかったりするかもしれない。
 そんな中で、「ボク、やだ!」と言って投げ出すかもしれない。すんなりとはいかない場合も多い。
 
 それでも、こうして楽しみながら鍛えていけば、7,8人で1チームの通常学級の中でのハンドベースボールに徐々に入っていけるようになるに違いない。

 算数のノート記録を全くとることができなかったAさんが、特別支援学級での2年余りの指導ででできるようになったこと。そして、今では通常学級で算数の授業を受け、通常の子と全く変わらずにノート記録をとっている姿を思い起こすと、特別支援学級での積み重ねがいつかは功を奏すると考えている。

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◆キーワード:1 ハンドベースボール  2 個別の支援  3 特別支援学級

◆留意点・その他
・わが子を、通常学級に入れるか特別支援学級に入れるかで悩む親は多い。基本は、その子にとって一番合っている教育(学級)は、現時点でどちらかという一点である。親のミエを乗り越え、学校や医師の意見を聞き、冷静に判断すべきだろう。
 特別支援学級でのあり方もいろいろだ。国語算数だけ通って学習し、あとは通常学級で学んでいるケースもある。あり方も、その子の成長に応じて変化していく。

・さて、その週の交流体育は、同じく「ハンドベースボール」であった。Aさんには、指導員のBさんが付いている。Aさんは、ボールをうまく捕れない。そこで、B指導員さんは、「Aさんにはボールを転がしてパスして欲しい」と頼んだそうだ。Aさんは、相手が打ったボールもよくトンネルする。そこで、B指導員さんが付いて、トンネルしたボールを拾ってAさんに転がす。その転がしたボールを、Aさんが捕って投げたそうだ。また、Aさんがバッターの時は、B指導員さんが打ちやすいボールを投げたそうだ。Aさんはそのボールをホームランにしたようで、「ボク、ホームラン打ったんだよ。」と嬉しそうにボクに報告した。( 私は、その間別の子に算数を教えていた。)特別支援学級に在籍するAさんは、交流学習においてもサポートが付くのである。こうして、Aさんは楽しみながら交流学習も進め、成長していく。


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コメント 5

親父

ファーザーさん、はじめまして、こんばんは。
私のつたないブログへいらして下さり
ありがとうございます。
しかも、コメント&初nice!!!
嬉しかったです~(^^;
ありがとうございました♪
名前は親父になっておりますが
ほとんど わたくし(はは)が綴っているブログであります。

>特別支援学級での積み重ねがいつかは功を奏すると考えている。

とても心強いお言葉です。

来年度、息子が編入する予定の
特別支援のある学校へ先日3日間、
体験学習に行ってきました。
最初は、否定こそしましたが
専門分野を勉強されている先生はさすがでした。
私が迎えに行く頃には
満面のニコニコ笑顔!
もうお迎えなの?と言う表情でした。
私は、今すぐにでも!こちらの学級へお願いしたいと
思いました。

>基本は、その子にとって一番合っている教育(学級)は、現時点でどちらかという一点である。親のミエを乗り越え、学校や医師の意見を聞き、冷静に判断すべきだろう。

本当に、その通りだと思います。
今、苦痛で苦痛でたまらない息子に
今日は、あっちの学校へ、
明日は、こっちの学校へ
など とんでもないと思うのです。
年度の途中では特別支援学級へ
編入出来ない決まりになっているそうなのですが
教育委員会へ相談してみては・・と校長先生に言われました。
〝特例〟と言うものがあるようですので。

ついつい、長くなってしまいました。
親思いのとってもやさしい息子です。
そんな息子の気持ちを大事に
今後の進路を考えていきたいです。


by 親父 (2009-07-21 22:56) 

ファーザー

>親父さんへ
ていねいなコメントありがとうございます。

小学校時代無理して通常学級に在籍していて、中学校または高学年になって、特別支援学級に遅ればせながらくるというケースがけっこう多いようです。(妻は、中学校特別支援学級の介助員です。)

これだったら、小学校の入学時から特別支援教育を受ける中で、少しがんばればできる課題を確実に積み上げていった方が、社会性も、学力もずっと身に付くと思います。

私は今受け持っている3名の男子は、3人とも1年生から担任しています。
素晴らしく伸びています。これは、通常学級に在籍していては、ほぼ間違いなく不可能だったと考えています。(私は通常学級を担任していた期間の方が長く、通常学級の事情も精通しています。)

はじめの年は3人とも通常の市販テストは無理だったのが、今は3人とも通常学級と同じ市販テストを使っています。(一人は全教科、一人はほぼ全教科、一人は一つ学年をおとしていくつかの教科を実施)通常学級の中での交流学習も年々増えています。

3人のうち、2人はいずれ通常学級に行くことになるでしょう。私は、そうなるように、数年先まで見通して、意図的計画的に指導しています。

不遜かもしれませんが、私は3人の子どもとその家族の、命運を握っていると自覚しています。


by ファーザー (2009-07-22 21:19) 

ファーザー

>親父さんへ

書き忘れましたが、次の詩はお勧めですよ。(以前のブログ記事602号より)


・ころりんさんのブログ『ころと―旅する』の記事「☆オランダへようこそ☆」という記事(ご自分で訳された話)がすばらしい。
 次の書き出しで始まる話である。


「オランダへようこそ」作 エミリー・パール・キングスリー  

 私はよく、障害を持っている子どもを育てた経験を語ってほしいと頼まれることがあります。
そんな時障害児を育てるというユニークな経験をしたことがない人に、それがどんな感じなのか理解してもらったり想像してもらったりするために、こんな話をします。……
(ころりんさんの記事「☆オランダへようこそ☆」より引用)

 続きは、ころりんさんのブログ『ころと―旅する』の記事「☆オランダへようこそ☆」http://koroto-tabisuru.blog.so-net.ne.jp/2009-06-26-1をご覧ください。障がいをもったお子さんをもつ親に気づきを与えてくれるでしょう

by ファーザー (2009-07-22 21:42) 

親父

ファーザーさん、こんにちは。

早速、ころりんさんのブログへお邪魔してきました。
ほほぅ~と思わず頷いてしまう とっても良い詩でした。
《気づき》・・・まさにその通りでした。
主人にも読んでもらいたいと思いました。

我が家には3人の子供がいますが
3人三様、それぞれです。
“みんなちがって、みんないい”
これからも
そんな精神で子育てを楽しみたいな、と思いました。

>小学校の入学時から特別支援教育を受ける中で、少しがんばればできる課題を確実に積み上げていった方が、社会性も、学力もずっと身に付くと思います。

本当にそうですね。
わたくしもそう思います。
ただ、わたくしと主人は少しばかり意見の食い違いがあり
衝突もしょっちゅうです。
その板挟みになっているであろう
息子・・・
親の気持ちに応えようと頑張っている息子・・・

そんな主人も最近では
少しづつではありますが
特別支援学級への考え方、見方も変わってきた様子です。


ファーザーさんのように
信念をもって向き合っておられる先生のところの
生徒さんは幸せですね。

もちろん、どんな先生方も
子供が好きで教師になられたのでしょうから
信念を持ち、教育されていると思います。
息子の今の担任の先生も
とてもとても一生懸命に対応して下さっています。

先日、お世話になった特別支援学級の先生は
こうおっしゃっていました。
『困る子、ではなくて困っている子』
本当にそう思います。

なんだかまとまりのない文章ですみません。

こちらこそ、丁寧なお返事を有難うございました。

はは
by 親父 (2009-07-23 11:54) 

ファーザー

>親父さんへ
コメントありがとうございます。

>ほほぅ~と思わず頷いてしまう とっても良い詩でした。
《気づき》・・・まさにその通りでした。

とは、よかったです。私も特別支援教育にやり甲斐を感じ、楽しんでますよ。

>『困る子、ではなくて困っている子』

そうなんです。子どもの困り感に寄り添い、プロとしてサポートしていくのが、教師の仕事なんです。

父親との意見の相違を含めて、良い方向に進んでいくことを祈ります。

by ファーザー (2009-07-26 05:51) 

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